小説・漫画好きの感想ブログ

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ESCOが国土交通省のおかげで進まずか

 ニュース報道からですが、ちょっと長年の疑問が氷解致しました。
 が、知らない人にはちょっとわかりにくい話もあるので、話を二段にわけてやります。まず、皆様ESCOという事業をご存知ですか? 簡単にいってしまえば、これは対象施設に対して、省エネの器具や電気契約に切り替えることで、光熱費を削減する。ただし、その為にかかる経費は光熱費が削減されて安くなった光熱費の中から対象施設が支払うということで、施設は結局1円もかけずに光熱費のコストを大幅に削減できるという事業がESCOです。大きいところで例を挙げると、大阪府のとある施設では、コージェネレーションを漬かった大型のESCOを導入していて、これはESCOの為の施設が1億5000万とかなりの高額ですが、その費用はリースのような形でESCO事業者が負担。そして、実際のところは、1年間で圧縮できた光熱費が1億4000万でしたから、二年目からは大阪府は毎年1億4000万前後の利益を受け続けています。また、小さいところで言えば、自分たちの仕事のエコキュート推進事業もこれと同じで、エコキュートという80万前後の器具をリースのような形で事業者が導入、家庭はその導入で光熱費が安くなったぶんで、この器具代を支払い、あまりは家庭が利益として受け取るという仕組みです。
 どちらも、ポイントは、光熱費の削減、省エネルギーでその施設や家庭に住む人たちには何のデメリットもなく、むしろ参加するだけでかな環境事業に貢献したことになる。また費用は、その削減された光熱費から出るので何も費用が発生しない。むしろ、安くなるぶんの方が多いように通常は設定されるので、施設や家庭は純粋に施設や備品が新しくなった上に毎月得をする、とこういう事です。
 ESCOというのは簡単に言ってしまえば以上のような事業で、皆さんおわかりの通り、損をする人は誰もいません。いるとすれば、無駄に使っていた電気やガスを使わなくなるので、その提供者であるガス会社や電力会社だけです。なので、民間ではどんどん導入され、公共団体でも地方ではゆっくりとですが大阪府のように取り入れるところも出て来ています。
 しかし。
 ここからがこの話の後段になりますが、これが国の施設ということになるとこれが本当に呆れるくらい(前から不思議に思っていたのですが)まったく進んでいません。関係省庁のはずの、環境庁や経済産業省はかなりこの計画に力を入れているだけに、環境問題もあいまって急務のはずのこの事業がどうして進まないのか、ほんとうに謎でした。それがここにきて、この進まない問題の元凶が国土交通省にあるというのがわかってきたのです。どうしてここに国土交通省が出てくるのかといえば、縦割り行政の管轄の問題になるのですが、国のすべての施設の建設や回収に関しては、国土交通省が全権を握っているというのが問題で、簡単にいえば国の施設をいじるには国土交通省が許可しなければまったく何もできないし、国土交通省は既得権益の関係から、このESCOについて表向きはともかくまったく進展させるつもりがないという事なのです。
 国土交通省は当然のことながら建設業界に対して絶大な権力をもっています。どこの建設業者に委託するか、どこを閉め出すか、どこの許可範囲をどう限定するかが自由ですから、もう神様なみの権力をもっています。だから、むちゃくちゃな賄賂も取り放題だし、天下り先を用意させるのも当たり前のようにできます。しかし、このESCOに関しては、どんな業者も参画できると法律が定めているので、極端なことをいえば建設業界とまったく関係ない業者も参入できます。するとどうなるか、自分たちの影響力が駆使できない業者がどんどん出て来たり、その改修工事で権益をもっている団体にお金が流れなくて困るという話のようなのです。
 天下りや無駄遣いがここまで問題になっているのに、まだこの感覚なのですね。
 官僚達にとっては昨日の深夜番組でもやっていましたが、キャリア組は52歳で事実上ほぼ引退するんだから、天下りや既得権益からの収入は民間と比べて勤務年数がすくないのに頑張っているぶん、当たり前の権利だという意識がどうしても抜けないのでしょうね。しかし、この問題はけっこう大きいです。国の施設全体のESCOができれば、大きな省エネが出来るし、将来的には大幅なCO2削減が見込めるのです。それが国土交通省の(もちろんそれが全てではないでしょうが)思惑で進まないとは。。。非常に憤りを覚えるニュースでした。