小説・漫画好きの感想ブログ

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「オムライス」 星里もちる著

 全5巻。
 星里もちるの、10年くらい前の漫画です。
 本格的な引っ越しに備えて家を片付けていたら星里もちるさんの漫画がらわらと出て来てしまい、片付けながら手を取ったらそのまま読みふけってしまいました。この人の本ってついつい読み込んでしまいます。
 さて、この漫画は、今井光という主人公が、たまたま知り合った同姓の「今井」みどりとのなんやかやで、彼女たち4姉妹と同居することになって、、という漫画です。今にして思えば、この漫画も星里さんの漫画のモチーフというかテーマの「他人との同居」もの(「りびんぐゲーム」とか「ルナハイツ」「本気のしるし」等)なんですが、読んでいるときはそうとは思い至らずに自分とはあまり縁のないぶん羨ましい家族ものとして読みました。
 光がいつしか心通わすようになった「みどり」は今井4姉妹の一番末の娘だが、実は唯一姉妹の中で血がつながっていない女の子。他のメンバーはそれを知っているから余計に仲のいい家族を演出しようとしてしているけれど、実は彼女はその事実に気付いており、家族がいつか別れ別れになるくらいなら、と屈折した感情を家族に抱いています。そして、そういう屈託や葛藤を光と一緒にほどいていくところがこの漫画の主題となっています。星里さんの漫画のヒロインなんで屈折の仕方や、思考回路のぶっとび具合が笑いに通じる反面、大変だなぁと主人公に同情しきりとなります。
 あと、タイトルのオムライスは、4姉妹の名前から家族の結束を確認する料理という位置づけで出てきます。名前と食材がリンクしていて、長女の「珠子」=(卵)、二女の「羽子」=(とり肉)、三女の「葉子」=(野菜)、四女のみどり=(グリーンピース)という具合です。読み終わった今、なんだか無性にオムライスが食べたくなってきました^^

 追記 TVでやっている目黒のスイーツの特集が恨めしい。こういう美味しいスイーツの店でたんと甘いケーキやパイが食べたい。各種ケーキにあうコーヒーを選んだりしてコーヒーカップにも凝ったりして、、新しい家で揃える買い物はまずカップからかな^^

オムライス 1 (ビッグコミックス)

オムライス 1 (ビッグコミックス)