小説・漫画好きの感想ブログ

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「センゴク天正記1」 宮下英樹著 

 125冊目の紹介本です。 
 以前に第一部が終了した「センゴク」の第二部スタートの第一巻です。打ち切られたのかと思いましたが無事に復活で、今回のコミックスの表紙を見ても特殊加工がしてあったりと講談社にも力をいれてもらっているようです。
 ただ、物語的には前作までは彼が裸一貫で一から武士として身をたてていく様子を描いたり、最愛の女とのロマンス的要素もあって波瀾万丈のものだったのに対して、今作は仕切り直しの第一巻ということもあってか物語的にはわりあいと地味な滑り出しです。
 舞台は武田信玄亡き後、織田信長が長島の一向一揆、本願寺の囚徒との戦いに臨んでいるあたりの織田家中です。前作のラストで、千石取りの武将として一応は家臣団を持てることになったセンゴクこと仙石権兵衛秀久は、形としては武将として取り立てられたもののまだまだお抱えの武士をもっているわけではなく西へ東へと御用働きの毎日。今作でも領地の整理や、織田信長へのお使い、羽柴秀吉の調略への同行、長島の一向一揆潰しのための潜入工作や、従軍する家臣選びにとひたすら働いています。名家や旧家の出ではないセンゴクが大きくなっていく為のあらゆる事が描かれています。
 まぁ、地味ではあるけれども、今後のセンゴクを描いていくために必要な基礎作りの巻といったところでしょうか。

センゴク天正記(1) (ヤングマガジンコミックス)

センゴク天正記(1) (ヤングマガジンコミックス)