「チーム・バチスタの栄光(下)」 海堂尊著
下巻も読みました。
前半の上巻も面白かったけれど、後半の下巻もかなり面白かったです。大満足。
食わず嫌いで読んでいなかったのを後悔する面白いエンターティナメント作品でした。前作では、病院側から愁訴外来の田口医師が探偵役として全員の聞き取り調査をしていましたが、目の前で手術中に患者が死亡、謎は解明できずという事態を受けやむなくギブアップ。厚生労働省からロジカルモンスターこと白鳥技官が派遣されてきます。
この白鳥技官という人物がキャリア組の公務員というイメージにまったくそぐわない、傍若無人・はた迷惑・トラブルメーカーといった感じの一見どうしようもない人物なのですが、そこはそれ、物語の牽引役として登場するわけですから、実はずば抜けた知性と行動力の持ち主で、バチスタ・チームの術中死の謎を明晰にズバズバッと快刀乱麻を断つがごとくに解決していきます。ただ、さきほどに書いたような人物ですので、尊敬と威厳を滲ませつつというよりは、助手に駆り出された田口医師も辟易するような捜査術でそれを行う訳ですが、それが破天荒で面白かったです。
医学ミステリというと堅苦しいイメージがつきものですが、そういう印象をばっさりと切り捨ててくれる一冊でした。続編も多々出ているようなので、文庫化を楽しみに待ちたい楽しみなシリーズとなりました。
チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2007/11/10
- メディア: 文庫
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