小説・漫画好きの感想ブログ

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「ストレンジャーズ(下)」 ディーン・クーンツ著

 無駄に長かったです。
 下巻の後半の更に最期の半分は、一気呵成に読ませるんですが、そこまでがひたすら長い、長過ぎました。何かが起こりそうで起こらない、過去に何かがあったことは明白ながらどこでどういう風にそれがあったかわからないという状況が多数の登場人物のそれに少しずつ少しずつ起こるので、話がとにかく進みません。作中で主人公達の多くを悩ませる赤い月の話も、中盤からは完全にネタが透けてしまうので、最期にはいったいどんな異星人がどんなシチュエーションで出てくるのか、ジャック・フィニィのそれのように不定形の物が出てくるのか、或いはホーキンズのように論理的に宇宙人はヒューマノイドタイプしかいないという進化論前提の宇宙人が出てくるのか、というところに注目が移りましたが、そこもあっさりと終了。なんだか肩透かしを食らいまくった本でした。
 自分の読書生活においてここまで一冊読み終えるのに時間がかかった本は初めてでした。
 クーンツが一躍ブレイクした作品ということですが、今読むとちょっと衝撃度は薄いです。 
 まぁ、最期の最期でスピードアップしてくれたし、盛り上がりがあったので良かったですが、でも本のトータルの評価としては前半がたたってやはり低めです。ファンの間でも作品によって評価の値が乱高下するのがクーンツの特徴らしいので、次は人気が高い「ウォッチャーズ」を読もうかと思います。

ストレンジャーズ〈下〉 (文春文庫)

ストレンジャーズ〈下〉 (文春文庫)