小説・漫画好きの感想ブログ

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タイのエコカー

 タイの新しい首相になったサマック首相。
 この人ね皆さんもご存知のとおり、タクシン元首相の懐刀的な人なので、下手したらタクシン政権が崩壊したときのクーデター幹部と一悶着が起こるかもとちょっと心配していましたが、そういうことをせずに国の発展のほうに力を入れるようで安心しました。
 そして、そのサマック首相のほうから発表されたニュースが結構、環境問題的には興味深かったんです。
 いわく、世界でいま最も環境基準の厳しいヨーロッパ以上の環境基準車をタイは目指す。そして、その開発に各国で名乗りを挙げるところを募集し税等で優遇するというのです。これはなかなか画期的で、具体的に出してきている数値でいえば、燃費はリッター20km以上を最低とする。二酸化炭素排出量は1kmあたり20g以下とする。ということで、これは本当に厳しい基準で、こういう車しかタイでは走れないとなるとタイの排ガス問題や二酸化炭素問題はかなり改善されるでしょうね。
 名乗りを上げる企業にとっても、購買する国民にとっても旨味があるようにということで、車の販売に関してはタイでは物品税が最大50%かかるんですが、それを17%までカット。買いやすくします。そして企業の方も、この車の販売の法人利益の80%はカットで免税とするということで、これはもう無茶苦茶優遇です。ただし、したたかなのは、車のエンジンはタイ製品でなければならないという点。これによって、タイのメーカーが強くなるとともに、外貨をたくさん入れて投資も増やし、国民は車を買いやすくする。でも、環境問題には最大のアピールをするという一石三鳥を彼はもくろんでいます。
 正直、環境サミットともいえる洞爺湖サミット開催国の日本の福田首相と比べると、うらやましいというか遥かに政治家として立派なんじゃないかと嫉妬すらしてしまいます。一国の首相は、やはりこれくらい思い切った手を打って国民の士気を鼓舞したり未来に希望が持てるようにして欲しいです。
 インドの24万円カーの販売誘致にもかなり強引な国策だなと思いましたが、インパクトはこちらのほうが上でした。24万円の新車というのも魅力は魅力ですが、環境問題も考えた車でなお安いというのはいいことですからね。日本もなにかこういう思い切ったことをしてくれないかな。
 あ。この場を借りてですが、以前誰かに日本ではなぜ風力発電は定着しないのか、民間でつけていかないのか? という質問をもらっていましたが、日本では海外ほどにエネルギーが得られない(というのも日本の風は常に一方から一方へ流れない乱気流型)ということと、乱気流型で台風がくるせいで、ヨーロッパでは余裕で安全基準を通っている大型風力発電機が何台も倒れた経緯があってのことなのでした。なかなか難しいものですね。