小説・漫画好きの感想ブログ

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「喰いタン」9巻 寺沢大介著

 ダイエット中だというのにも、何故だか料理漫画が次々と紹介されるこのサイトは異常でしょうか。
 なんだかねぇ、代償作用のように次々と料理漫画が出てきます。
 今日は、料理漫画というよりは食べ物漫画といった方がいいかも知れませんが、一冊紹介です。

 
 「喰いタン」9巻 寺沢大介


 寺沢大介、「喰いタン」の9巻が発売されました。
 昨年の二度目のテレビドラマ化もあって、知名度は高いと思いますが、改めて書きますが、テレビと漫画の喰いタンは、少年隊の東山紀之の端正さや佐野史郎の茫洋感も含めて全くの別物だと考えてもらった方がいいと思います。テレビの喰いタンは、人情の機微をわきまえた探偵という感じでしたし、事件の謎を解くために何度も同じメニューを食べたり作ったりしていて、やや常識には欠けるものの基本的には好人物でした。が、こちら原作の喰いタンの方の主人公、高野聖也は完全に性格が破綻しています。常識や非常識という範疇を考えるのもばかばかしいくらいに壊れています。が、推理力や行動力、とっさの機転を効かせる力なんかはこちらの方が優れていて、個人的にはマンガ版のほうが圧倒的に面白いです。
 今回の9巻でも、悪漢達に奪われそうになったダイヤを機転をきかせて隠したり、カップ麺に対する蘊蓄を傾けながら犯人を逮捕したり、些細な証拠からでも食べ物に関する知識(科学知識も含む)を使って一瞬でトリックを見抜いてしまうなど大活躍をします。特に、66話「スペイン料理を喰う」では殺人現場にあるものを見ただけで犯人を指摘するだけでなく、感傷の余韻の残る終わり方までしてくれています。この大活躍を見れば、多少食い意地が張っているくらい全く何でもないでしょう。それがたとえ一日にラーメンとうどんを合わせて60杯くらい食べるほどだとしても(笑)。
 まぁ、難をいえば一話完結ということでトリックや犯人逮捕の謎解きに関して甘いところもあるとは思います。しかし、一話完結であれば仕方がない部分もあるし、逆に何話かにひっぱることも可能なのにそれをせず、惜しげもなく一回ごとにトリックのネタを投入していることの方がポイントが高いでしょう。 
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喰いタン(9) (イブニングKC)

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