「アイ アム レジェンド」「地球最後の男」 リチャード・マシスン著
こんばんは、樽井です。
今日は朝から銀行仕事があってバタバタでしたが、合間合間に何冊か本を買えました。
今日紹介する「アイ アム レジェンド」、それから北方水滸伝の最新刊14巻、漫画のほうでは「のだめカンタービレ」の19巻。ぼちぼちと買いましたね。村上春樹さんが早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞したとかで、またちょっと本の世界のほうにひっぱられています。
さて。
「アイ アム レジェンド」 リチャード・マシスン著
これは、むかし「地球最後の男」というタイトルで既に出ていた本ですが、今回ウィル・スミス主演(「M・I・B」以降かなり売れっ子の俳優さんです)で映画がリメイク公開されるということで新版を購入、再読してみました。
読んでみての率直な感想は、前に読んだときに比べるとずいぶんとストレートというか直線的な話だったのだなという事。昔に読んだときはまだ子供だったせいもあるかも知れないけれど主人公の葛藤もあり難しい話に感じたのですが、今回読み返すとストレートで一直線な物語で驚きました。これは新訳の方のセンスもあるかも知れません。
そう遠くない未来、アメリカはなんらかの世界大戦のあとで原因不明の疫病が蔓延し、政府の必死の努力もむなしく世界は滅亡してしまいます。ただ一人の生き残りと思われるネヴィルは、疫病により吸血鬼と化した人類と戦いながら暮らしていますが、さすがに孤独で原因すらはっきりしない吸血鬼病との戦いに発狂一歩手前まできています。彼は果たして本当に地球で唯一の人類の生き残りなのか、また吸血鬼と化した人々はもとに戻すことができるのでしょうか。というのがあらすじで、結末はちょっと予想していない方向に行くのであえてネタバレは書きません。
今時の小説ならこういうオチはたぶんないと思います。が、このあたり、映画ではどういう処理になるのか全然別のエンディングになるのか、それを楽しみにしていただくのも一興かとも思います。
個人的には、小説の中盤で主人公が犬を発見して、なんとかその犬と心を通わせようとするシーンが結構ぐっときました。他者はすべて敵でしかなく、水道は止まり、電気も自家発電、当然ガスもなく、夜は外にも出れない、そういう状況下で出会った「生きている」犬に対してなんとかコミュニケーションを図ろうとするそのシーンの主人公に一番感情移入しました。人間やはり孤独には耐えられないものです。それだけにラストは・・・
- 作者: リチャード・マシスン,尾之上浩司
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/11/08
- メディア: 文庫
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