小説・漫画好きの感想ブログ

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「一度も植民地になったことがない日本」 デュラン・れい子著

 こんばんは、樽井です。
 ただいま戻りました。今日は忙しい一日でしたし、朝から何故かずきずきと偏頭痛がでて大変でした。けどまぁ家まで戻って来たら一安心。薬も飲んだし、あとはじわじわと効いてくるのを期待しましょう。今日帰って来て最初に見たニュースが「ムツゴロウ動物王国」の閉園決定というちょっとブルーなニュースでしたが、気にせずに行きましょう。
 ムツゴロウさん、結構好きだったんだけれどなぁ。。。。


 「一度も植民地になったことがない日本」 デュラン・れい子著 

 ひさびさに新書の本の紹介です。
 この本は、ヨーロッパに住んでいる外国人から見た日本人についての本なんですが、よくある「海外から見た日本の本」と大きく違うところが一つあって、それは著者のまわりにいるのがごく普通の海外在住の外国人で、一般の人々から見た日本という国についての本になっているところです。今までの本はどうしても、専門的な人たちから見た日本や、日本に住んだことがある外国人が改めて国外から見る日本というパターンになりがちでしたが、これは外国人と結婚した日本人が、現地で日本がどのように見られているかを綴った本です。
 言ってみれば、海外の一般人から見た日本、の本です。
 それだけに話があっちにいったりこっちにいったりとちっょと散漫な感じはしましたが、それでも結構興味深い話も多く自分の知らなかったような側面からの話が次々に出てくるのが面白く一気に読んでしまいました。例えば、ヨーロッパ人からすると日本は「アジア・アフリカで日本は唯一といっていい一度も植民地にされなかった国」だという視点。黄色人種に取っては、これは珍しい事でアメリカに占拠はされても植民地にされなかったことが(愚民政策とかで実質上植民地にされているなどの議論はこの際置いておいて)白人に対する嫌悪感や拒否感のない国にしているだとか、第二次世界大戦の敗戦国である日本とドイツとイタリアにだけテロが存在するのは彼らのメンタリティに共通のものがあるのだという議論・結論がヨーロッパでは自然に受け入れられている話などが結構興味深かったです。特に後者の話がごく一般的なレベルで語られていることなんて当然日本人には知りようもないし、この間の9.11のテロ以降のの自爆テロをあちらでは「KAMIKAZE」(神風=特攻隊のことですね)と呼んでいるとか聞くと、まだそこまで第二次世界大戦はたたるというか忘れられないのねとため息が出たり。
 他にも、僕みたいに海外に行く事がほとんどない人は知りようがない事かもしれないけれど、ヨーロッパではチップの習慣はもはやないこと等も結構以外でしたね。チップはサービス業の人には渡すものだけれども、たいていの食事どころや宿泊所、乗り物はあらかじめチップ料、サービス料で全部処理するから、チップを置くと逆に失礼になることも多い、日本人の場合はそれこそ日本人はなんでも金で解決しようとする、とマイナスでとられかねないなんて事も意外でしたね。
 雑学といってしまえばそれまでかも知れないんだけれど、いつもと違う目線で日本のことを見るのも悪くないし、そういう意味では現在の海外からの視点のこういう本はとても興味深いです。あと、最後になりましたが、文章がとても読みやすいので普段新書を読まない人にもおすすめです。
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一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)

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