小説・漫画好きの感想ブログ

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言葉の壁 アルザス・ロレーヌ

 こんにちは。
 横になっていてもしんどいので立ったり座ったり片付けしたりして気を紛らわせつつ喘息対策のほこり除去に全力投入中です。
 さて。いまだに毎日のようにベルギー関係の検索がこのサイトにもかかっています。よほどベルギーの分裂の話は、一部の方には印象に残ったようなので、ちょっと違いますが今日も国のありようの話を。
 今日取り上げるのは、フランスのアルザス・ロレーヌ地方。
 ここはヨーロッパ史では犬猿の中のドイツとフランスの国境地帯にあたります。今現在はフランス領になりますが、かつてはドイツに統合されたりしたこともあり、戦争のたびに両軍や周辺国に犯される地方ともいえます。この地方ももともとは独立していたのですが、フランス領に組み入れられたこともあり、言語的には今ではフランス語を公用語としています。しかし、もともとはこの地方はドイツ語の分派的言語を使っていたので、どちらかといえばばりばりにドイツ語圏でした。となれば、必然的な話なんですが、老人世代が話す言語と、中高年以下の人たちが使う言語が違うという問題が生まれます。学校教育や公文書、新聞ではフランス語しかでてこない中で育った親から生まれた子供たちはフランス語しか話せませんし、読めません。
 文化も完全にそうなっていきます。地方の独立性、集団としての統一性は言語によって完全に瓦解しつつあります。
 かつて日本もそういう事をしていたし(今話題の沖縄でもそうでした)、ある意味それが他民族を自国に取り込むのに一番確実な方法なのでしょうが、ときにこういうニュースに接すると考え込んでしまいます。 
 特に、ことがフランスだけにこの問題は絶対省みられないでしょうし政策がかわることはありませんから、この地方では言語は完全に失われることになるでしょう。フランスは憲法でも言語はフランス語のみであるとはっきり明文化しているし、法律でも、テレビやメディアなどが何か番組を作る時には、フランス語以外の言語が放送や活字に含まれる割合を何パーセント以上にしてはならないとそんな規制をしている国ですからね。日本なんかだとカタカナ言葉や英語、アルファベット、ハングルが新聞やテレビにどれだけ溢れているんだろうというくらい移っていますが、かの国ではそういう事はできません。愛国心、国の一体感は乱れない母国語のみがなしうるときっちり信じていますから、そういう国だけにこの地方の苦悩は省みられないでしょう。
 たしか中学校の時に授業で習ったと思うんだけれど「最後の授業」というのがありましたが、あれはこういう背景をもとにした作品だったのだなと今更ながら思います。
 ワンマン、豪腕のサルコジ大統領。
 願うならばもう少しこのあたりについては柔軟にいって欲しいですが、政策的には逆にこういうのに厳しい方のようですので、厳しいんだろうなぁ。相撲は野蛮なスポーツだ、という彼の発言に言い返せない現状でもありますしね。時津風親方の逮捕、彼が聞いたら「フフン」と鼻で笑われそうで嫌です。

 追記 それはそれとしてアメリカ軍が、来年度からの「思いやり予算」について光熱費の大幅増を要求しているようですが、、あくまで「お・も・い・や・り」の予算だということを忖度していただきたいです。給油問題で日本がアメリカに強く言えないときにこの問題をふってくるなんて、やり方があまりに汚いような気がします。同盟国に対するそれこそ思いやりに欠けるんではないかなぁ。263億円という光熱費負担の善意にさらに増額を要求する神経がわからないですねぇ。この他にも在日米軍の給与や家族の家賃とかいろいろ払っているんだけれど、、、。どう思います?