小説・漫画好きの感想ブログ

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おいしい関係 槇村さとる

 こんにちは、樽井です。
 今日は休みなので、一日たらたらDVDなど見ながら過ごしていますが、、、暑いですね。もう9月も終わりだというのに、クーラーをきって過ごそうとすると、すぐに汗でベタベタになってしまいます。なんとか9月末までには、いくら温暖化といっても気温は30度を切って欲しいものです。ブートキャンプで有名なビリー隊長が日本に、ラップ歌手としてデビューのためにやってきているニュースとかやっていますが、もう少し涼しいニュースが欲しいです。
 さて。
 
 またもや料理漫画ですが^^ おいしい関係槇村さとるさんの漫画です。
 樽井は槇村さんの漫画はこれ一本しか読んだことがありませんので、他の作品については言及できませんがこの一冊に関してはすごく面白くて毎日一冊といわず二冊三冊と買い足して一気に読み切りました。当時の彼女に教えてもらった漫画(あれは同時に村上春樹の「海辺のカフカ」を発売直後に買った日だからもうずいぶんと昔の話になりますね)ですが、一読、一気にお気に入りになりました。
 主人公は藤原百恵。グルメでくいしんぼうのお父さんに連れられてまだ幼稚園ぐらいのときから世界中の美味しいものを食べ歩いてきた絶対的な味覚を持ちつつも、裕福な家庭に育ったこともあり、本人は料理もまったくできなければアルバイトをしたこともない普通の女の子。というのが物語の一番最初。しかし、父親の突然の死から、ひょんな縁があって彼女は料理の世界に飛び込みます。当然、アルバイトからスタートするのですが、なにしろお嬢さんですから甘ちゃんだし、料理人としては経験もなくものの役にはたちません。しかし、彼女がアルバイトしていた店の雇われシェフの織田圭二が、これまた浮世離れした料理馬鹿の天才料理人だったところから、彼女はその素質を開花させていきます。
 むっつりとしていて自分を語らない、誰かと心を開こうというのがない織田と、とにかく元気で悪意というものをもたない百恵の二人が師弟関係を通じて徐々にお互いに与えあったりというのが前半。中盤以降では、織田のライバルのこれまた日本でもトップクラスのシェフの高橋の経営する店への百恵の移籍や、織田の恋人となる今村加奈子の登場など、料理を軸に、恋愛関係もあり、そして藤原百恵本人の女性としての自立などいろいろな要素が入ってくるこの作品。かなり読み応えがありました。
 はっきりいって人間関係は中盤以降かなりドロドロとしてきますし、人間のエゴや価値観が大きく出てくるのですが、さっぱりとした絵柄がそのあたりはフォローになっています。これが濃い絵柄だときつい話になってしまったし、料理ものというカテゴリからするとマッチしないものになったかも知れませんが、さっぱりとした絵とのバランスでちょうどよいくらいに仕上がっています。
 この漫画もドラマ化しているようですが(ちょっと調べたところでは織田役が唐沢秀明、百恵役が中山美穂、それでなぜかアシスタントの木村くんにSMAPの草薙剛と、前回の「西洋骨董洋菓子店」以上に ? なキャスティングのような気がするのですが、これも見た人どうでした? )、漫画とはまたたぶん別物アレンジだと思うので、是非漫画の方を読んでみてください。 
 なにかイタリアンかフレンチでも、何でもいいから美味しいものを食べにいこうかなという気分にさせてくれる一冊です。

おいしい関係 1 (YOUNG YOU漫画文庫)

おいしい関係 1 (YOUNG YOU漫画文庫)