小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

アホウドリの話とヨウスコウイルカの話

 明日は朝書き込みをする時間がないかも知れないので、環境関連の話を二つ。
 どちらも、前回のホッキョクグマと同じく絶滅の危機が、、という話なんですが、この二つは今まさに絶滅しようとしている種ということであと数年しかタイムリミットがありません。
 記事を読めば、アホウドリの方はまだ助かる見込みはありそうですが、イルカは。。。

<<<<<
アホウドリ:絶滅防止で鳥島から聟島に「移住」計画 繁殖期のアホウドリの求愛ダンス=環境省提供

 日本でのみ繁殖している特別天然記念物アホウドリの絶滅を防ぐため、環境省は12日、繁殖地の火山島・鳥島(伊豆諸島)から、南に約350キロ離れた小笠原諸島の無人島、聟島(むこじま)へヒナを運ぶ「移住」計画に着手することを決めた。繁殖期の来年2月中旬に生後40日程度のヒナ10羽をヘリで運び、巣立ちまでの約3カ月間、山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)の専門家が常駐し、親鳥に代わって人工飼育する。
 アホウドリは羽毛目当ての乱獲で激減し、1949年には一度絶滅宣言が出た。しかし、51年に鳥島で10羽が発見され、現在は世界中でも鳥島尖閣諸島の南小島でのみ繁殖が確認されている。同省は93年から鳥島内に第2の繁殖地を作り、鳥の模型などで誘導して繁殖拡大の努力を続けてきた。その結果、昨年はヒナが過去最高の227羽誕生。生息数は推定1945羽まで回復した。しかし、鳥島の火山活動による絶滅を防ぐ「島外移住」は長年の懸案だった。同省は今年3月、近い種のクロアシアホウドリのヒナ10羽を、媒島(なこうどじま)から隣の聟島に移す実験を行った。1羽は約3週間後、消化不良などで死んだが、残る9羽は無事に巣立ったため、同日開かれた同省の専門家会合(アホウドリ保護増殖分科会)で移住計画を了承した。
 アホウドリは巣立って2〜4年後に繁殖年齢に達すると、生まれた島に戻ってくる習性がある。移住計画は、生まれたばかりで繁殖地を覚えていないヒナを移し、新しい繁殖地に戻ってくることを狙っている。今後5年間、ヒナの移住を続け、聟島への定着を図る。

ずいぶんと強引ですが、うまく行く事を祈ります。
 それに比べて中国揚子江では。。。
<<<<
 ヨウスコウイルカ絶滅認定

 中国の長江(揚子江)をすみかとする「ヨウスコウイルカ(Yangtze Dolphin)」が正式に絶滅したと発表された。同誌ではこれを「中国の国宝が失われた」とし、イギリスの動物学者Sam Turvey氏の言葉を借りて「これは衝撃的な悲劇です」と伝えている。
 また、ヨウスコウイルカの絶滅は「人類が地球の保護者としてはその立場・責任を果たしていない証拠である」と述べている。これまで、特に今半世紀の間開発競争の激化と環境問題の悪化にもかかわらず、脊椎動物の大きな系統における「消滅」は避けられてきた。しかし今回、「ヨウスコウイルカ」の絶滅が確認されたことは「人類史上初のクジラ目における動物の絶滅」となり、他の絶滅危機種と共に開発による環境の劣化が特に進んでいることを現していると伝えている。
「ヨウスコウイルカ」は揚子江だけに住む特有のイルカで、中国の開発、わけてもダムの開発が進むにつれて急速に数を減らしていた。養殖も試みられたがすべてがうまくいかず、これまで「絶滅寸前種」の認定を受けていた。
最近では国際チームによって6週間にわたり綿密な調査が行われたが、結局一頭も該当するイルカは見つけられなかった。この結果などを精査した上で Turvey博士は「絶滅したと認定しても止むを得ない」としている。またその原因については周囲で用いられている農業用バッテリーや工業化による汚染、漁業用の網、さらにはダム建設などさまざまな環境・水質汚染が原因であるという。
 別資料によるとこの調査は2006年11月から12月にかけて、日本人の研究家も加わって行なわれたもので(【研究グループ】)、調査結果発表当時は「見つからなかった別の個体が、揚子江の別地域で生存している可能性もある(種族として系列を保つだけの数が残っているかは別として)」「しかし事実上絶滅したと見てもよいだろう(10年以上は残っていた個体も生き続けられないだろう)」と伝えられていた。今回、正式に認定したということは、調査に引っかからなかった個体の存在ですらあきらめざるを得ない状況と判断したということになる。
 中国政府側もヨウスコウイルカの減少に危惧し、1975年には「国宝」であると宣言したが、産業の発展を優先して何ら有効な対抗策はとられていなかった。
 DailyMailではこの「ヨウスコウイルカ」が、中国の昔の小説で「愛していない男性と結婚するのを強要された姫が長江(揚子江)に身を投げ、その生まれ変わりがヨウスコウイルカになった」という逸話や、そこから「ヨウスコウイルカ」が「長江女神」と呼ばれていることを引用し、次のように本文を締めくくっている。

悲しいことに、揚子江の女神は再び命を落としてしまいました。
(Sadly, the Goddess of the Yangtze has died again.)

 先日のホッキョクグマの記事の反応が高かったので目につくとこを拾ってみましたが、たぶんこれらは氷山の一角で今この瞬間にも大量の動植物が絶滅していっていると思われます。環境は人間のためだけではなく、すべての生物にとってもかけがえのないものです。